月日が過ぎるのは早いけど、現状に大きな変化はありません。
復興には長い年月が必要…頭では分かっているけど、やっぱり時々くじけてしまう。
私はすぐにヘコむたちなので、落ちては上がっての繰り返しばかりです。
小さなことでも、一歩一歩、少しずつ前へ進んでいくしかないんだなぁ。
Twitterを始めてから2ヶ月がたちました。
被災地の現状や復興支援・ボランティアなど、様々な情報が入ってきます。
特に目立つのが、放射線の影響や反原発に関するつぶやき。
「拡散希望」と書かれたリツイートが頻繁に回ってきます。
その中にはいたずらにパニックを煽るだけの情報も少なくありません。
よく調べてみると、発信元が怪しい不可解なものが沢山あります。
昨日からよく見かけるツイートの中に、こんな情報があります。
☆【【拡散】】☆福島の子供たちを救うための野田総理への請願書に2万人の署名を〜!
現在6879名!まだまだ宜しく〜!署名簡単にできますので協力よろしくお願いします。
http://www.avaaz.org/jp/save_the_fukushima_children_1/?pagelink
(Twitterより引用)
上記のリンクを見てみると「福島の子供たちを救うために24時間」と書かれたページが。
Avaaz.orgという団体のようですが、代表者名などの記載が一切ありません。
訴えの内容はこのようなものでした。
現在、福島市では、数千人の地元住民が高レベル汚染地区に閉じ込められています。
黒い雨が空から降り、地元の農作物は汚染され、津波によって住む場所をなくした
家族やその子供達は避難することもできません。
それでも政府は彼らを助けることを拒んでいます。
そこで福島の女性たちが動きだしました。日本中から数百人のサポーターが集まり
福島の子供たちが避難するための支援を野田総理大臣に求めるため、
東京の経済産業省前に座り込み、訴えています。
私たちも彼女達と供に訴えることができます。
これは事実上、彼らの命をかけた行動です。放射能汚染の真只中にいる子供達には、
時間がありません。プレッシャーを感じ始め、日本政府は24時間後に緊急会議を
開催する予定です。福島の母と子供たちをサポートしよう!
下記の緊急署名嘆願書に署名の上、このEメールを拡散してください。
嘆願書は、会議前に、首相官邸に直接届けます。
内閣総理大臣 野田佳彦 殿:
私たち憂慮する市民は、日本政府が、未だに高放射能汚染地区に閉じ込められている
福島市の子ども達を守るため、 早急に行動をとるよう強く要請します。
特に、渡利地区の住民に避難の権利があることを認識し、
安全地域に移住したいと望む人々に緊急の支援を提供するよう求めます。
子ども達、孫達の未来がかかっています。もはや時間はありません。
(HPより引用)
色々と突っ込みどころ満載なのですが…(;´Д`)
福島市の人口は約28万人。数千人とは一体どういうことなのか。
ホットスポットは各地に沢山あるのに、なぜ福島市の渡利地区に限定しているのか。
しかも福島市は内陸部。津波の被害などありえません。
震災後、福島市には2回ほど行きましたが(詳細はこちら)
住民が閉じ込められてるとか黒い雨などの話は特に聞きませんでした。
もちろん宮城でも黒い雨が降ったことはありません。
私以外にも不審に思った人は多数いたようで、ツイッター上でもこんな指摘がありました。
「日本政府は24時間後に緊急会議を開催する予定です。嘆願書は会議前に首相官邸に
直接届けます」と書いてありますが、その会議はいつで、誰が届け、どのように
公表されるか誰か知っていますか。連絡先はNYにしかありません。
(Twitterより引用)
私が上記のサイトを開いてから、すでに24時間以上経過しています。
ですが、この「緊急会議」が開催されたという情報はどこにもありません。
自分でもこのサイトを熟読してみましたが、団体の活動資金の寄付金送付先として
ニューヨークの住所が書いてある以外、主催者について何の説明もありませんでした。
これでは正体不明の人物に個人情報を教えてしまうことになります。
個人情報の扱いについても非常にあいまいな記載がありました。
また、子供を避難させると言うけれど、家族と離れてどうやって暮らしていくのでしょうか。
誰がいつどこへ避難させるのか、どうやって保護するのか、避難後の子供の生活はどうなるのか
具体的なことについては一切の説明がありません。あまりにも無責任な提案です。
原発事故後「危険だから早く引っ越せ・避難しろ」という意見は何度も聞きました。
しかし、簡単に「逃げろ」と言うけれど、実際にそれがどんなに大変なことか、
自分が当事者になったらと想像してみたら分かることだと思います。
現在、原発事故の影響で避難されている方は大勢おられます。
先が見えない避難生活、大変な苦労を強いられていることと思います。
家族が離れ離れになり、友達にも会えず、仕事も変えなければならない。
家のローンも残ったまま、売ることもできない。賠償もどうなるか分からない。
生まれ育った大好きなふるさとに、いつ帰れるのかも分からない。
避難したから解決する訳ではありません。苦しみから解放される訳ではないのです。
避難することの是非は、私には分かりません。
原発事故や放射線の影響については、ありとあらゆる情報が飛び交っています。
この中から適切な判断を下すのは容易なことではありません。
個人的には、本人が決めること、周りがとやかく言う話ではないと思っています。
今回の原発事故に限らず、他人から「早く引っ越せ」と言われるなんて
そんなの「余計なお世話だ」と思ってしまいます。
この問題で非常に厄介なところは、積極的に声をあげている人ほど
「善意」の行動をしている(と思い込んでる)ことです。
人の思想や活動は基本的には尊重したいと思っています。
しかし、様々な情報を拡散されて、本当に困っているのは被災者です。
デマに振り回され、風評被害で傷つくのは、現地に住んでいる私達なんです。
そんなに危険だと訴えるのならば、一度被災地に来て欲しいと思います。
私達の生活を見て、肌で感じて、それから「ご自身で」判断してください。
いま現地にいる私達は、普通に暮らしています。
もちろん数年後の放射線による影響は誰にも分かりません。
今ここで無事に生きているという現実があるだけです。
ただ、風評被害の影響で、人口が減ったり、いわれのない差別を受けたり、
たくさん傷ついているのはまぎれもない事実です。
それが今の私達の「現実」です。
多くの人が精神的に追いつめられています。被災者の自殺も増えています。
「つながろう日本」の次は「瓦礫いらない」
これでは絶望して自殺を考えてしまうのも無理のない話です。
今年の流行語大賞にノミネートされているのが
「3.11」「瓦礫」「がんばろう日本」「脱原発」「復興」「風評被害」…
これらは「流行」ではありません。私達が今も抱えている「現実」です。
反原発の活動に反対はしません。
私も将来的には原発はなくなってほしいと願っています。
しかしそれは非常に困難な道のりで、現実的には長い年月がかかることでしょう。
反原発や放射線の危険性を煽る前に、先にやるべきことは沢山あります。
どうか情報を回す前に、ひと呼吸おいて考えてみてください。
それは本当に正しい情報なのか、少なくとも信用できうる人が書いた内容なのか。
冷静になって自分で調べて検討してみれば、おのずと答えが見えてくるかと思います。
不安な気持ちに駆られたり、何か役に立つことをしたいと思う気持ちはよく分かります。
それを解消するためにリツイートやチェーンメールといった行動に走るのだと思います。
しかし「誰かの役に立つこと」は、そんなに簡単に実現できるものではないし
そこに相手を思いやる気持ちがなければ、相手に伝わることもありません。
自分の言葉や行動に責任を持つこと。
ご自身の判断に自信がないなら、情報は流さないことです。
安易な気持ちで署名をしたりデモに参加するのは、本当にやめて欲しいと切に願います。
私自身、原発事故や放射線についてはまだまだ勉強不足です。
これからじっくり勉強して、悩みながらも自分なりに考えてみようと思っています。
非常に難しい分野だし、専門的な資料を読むと頭がクラクラしてきます。
大変ですが、安易な結論を出さないよう、時間をかけて調べてみるつもりです。
自分の言動のせいで誰かを傷つけるのは、極力さけたいと思うから。
これ以上、悲しい涙は見たくない。私の願いはただそれだけです。
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震災や原発事故に関するデマを考察しているサイトがあります。
迷った時は参考にしてみて下さい。サイト一覧はこちらです。
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<追記:2011年11月20日>
後日談をアップしました。
<追記:2011年11月28日>
現在の津波被災地の姿をYouTubeにアップしました。
仙台市若林区から亘理町まで。宮城県南、福島県に近い地域です。
黒い雨はどこにも降っていませんが、大量の瓦礫があちこちに積み上げられたまま。
詳しいリポートはこちらをご覧ください。
<追記:2011年12月3日>
当ブログ記事を「福島 信夫山ネコの憂うつ」さんに取り上げて頂きました。
誠にありがとうございました。
「終焉に向かう「反原発」(2) 英紙「ガーディアン」のバズビー師批判」
Avaaz署名の件、英紙「ガーディアン」が掲載した「福島県産米出荷停止」の誤報、
クリストファー・バズビー博士への批判等について記されています。
以下は信夫山ネコさんの訴えです。
原発事故以後ネット上には「福島は危険!逃げて!」等の「叫び」が溢れてます。
こういう「叫び」「脅し」の効果もあって、福島に来る人は激減。
街は沈み、市民は「すぐに逃げて!」に怯えながら、静かに暮らしています。
しかし、この種の「叫び」の根底に
「福島壊滅ならば原発全廃にできる!」という心理はないですか?
科学的・論理的に怪しい説、大げさな数字等が「連呼」「拡散」されている中
もし旅館の経営者が自殺するなどの悲惨な「風評被害」が出てしまったら…
(プロフィールより要約引用)
私も信夫山ネコさんのご意見に賛成です。
「福島に住む方々を助けたい」という気持ちと「原発全廃への願い」は
「別のもの」として議論すべき問題だと思っています。
<追記:2011年12月17日>
南相馬市の様子をYouTubeへアップしました。
原発事故から8ヶ月後、警戒区域付近の姿。
国道6号線を南下して20km圏内の通行止め地点まで。
詳しいリポートはこちらをご覧ください。
<追記:2011年12月18日>
Twitter上でこのようなご報告がありました。
「内閣へ提出する請願書には、氏名の他に住所も記入しなければならない。
電話で問い合わせてみたが、AVAAZ署名は法律上"無効"であるとの回答だった」
調べてみたところ、日本には「請願法」という法律があるようです。
請願法(せいがんほう、昭和22年3月13日法律第13号)とは、請願を行う権利・手続に
関して規定する日本の法律。全6条の比較的簡素な法律。日本国憲法第16条に規定される
請願権の実際の運用に関して規定する法律であり、同憲法の施行と同時に施行された。
請願に関しては、住所・氏名を記載した文書によってなされるべきことを指定し
適式な請願に対しては関係機関に対して誠実に処理する義務を負わせているほか、
請願を行ったことによって請願者が差別待遇を受けることがないことを規定している。
(Wikipediaより引用)
請願法の法令文はこちらから読むことができます。
AVAAZ署名で記入するのは氏名、Eメールアドレス、国名、郵便番号のみ。
住所を書く欄はどこにも見当たりません。
法律上無効である署名を集める目的とは…?
<追記:2011年12月19日>
当ブログ宛てにこのようなご報告を頂きました。
「渡利地区の住民の皆さんが千代田区の参議院議員会館で
政府関係者に署名簿を提出したとの事。恐らくこれが、
2週間近く経た今でも多少形を変え、流れている可能性があります」
この件についてのニュース記事を発見しました。
他にも「原発いらない福島の女たち〜100人の座り込み」という運動もあり
AVAAZ署名サイトでもこの団体について触れていました。
しかし、AVAAZがこれらの活動と「連動している」という記述はどこにも見当たりません。
あたかも実在する抗議運動と行動を共にしているかのように「見せかけて」いるだけです。
AVAAZ署名の具体的な活動の実態は未だ分かりません。
署名集めは今も続いています。
<追記:2012年1月23日>
メディアの大げさな報道やネット上の騒ぎは現在も続いています。
そんな中、当事者の一人として強く感じたことをあらためて訴えました。
震災を通じて、多くの被災者が感じた「心の距離」。
人々の間に深く刻まれた大きな溝が埋まる日はやって来るのでしょうか。
助けることの難しさ〜3.11追悼式に向けて
ぜひご一読ください。
<追記:2012年2月13日>
放射能について学べるサイトの一覧をまとめました。
不安を解消するには、正しい知識を身につけることが最も大切です。
放射能について学べるサイト
冷静さを保ち、自分の力で適切な判断を下せるようになるためにも
上記のリンク先を参考に、ぜひ勉強してみてはいかがでしょうか。







